記事を書くための取材準備について

 学生のとき、初めて取材した相手がスタジオジブリ鈴木敏夫さんでした。今だに、その90分ほどの取材のことをよく覚えています。私の質問に対して鈴木さんがどういう表情で何を答えたか、そのときに私は頭の中で何を考えてどういう振る舞いをしたのか。初めての取材というのは、緊張しますし、興奮しますし、ミスもあって、いろんな理由で忘れられないものなのだと思います。
 今度ねとぽよのメンバーの中に初めてインタビューに行く人がいます。ひとりっきりで取材相手のもとへ行き、話を聞いて、記事にする、というものです。かわいい子には旅をさせよ、という具合で送り出すのですが、初めての取材が同行者ナシというのは不安で仕方ないでしょう。そこで、何か参考になることを書きたいと思いました。
 取材というのは人と人との付き合いなので、いろんな方法があります。ただ、単なる人付き合いと違うのは、話した内容を記事にすることです。
 このエントリーでは、記事にするために必要な取材前の準備について書きますね。

本当に面白いのか?

 気をつけなければいけないのは、取材本番のとき、相手が話す内容が面白かったとしても、それは“本当に面白いのか”という問題があります。

  • 取材相手が話し慣れていることなのではないか?
  • どこか別の媒体でも同じことを話したのではないか?
  • 自分が面白いと思うだけなんじゃないのか? 読者はどうだろう?
  • 記事にするために聞きたいことを聞けているのか?

 記事にして、リリースをして、初めて「うわっ、この人、同じことを昔話してるやん!」と気付くのは情けないです。ただの怠慢です。
 事前に取材相手のことを知ること、読者のことを考えること、聞きたいテーマについて深掘りしておくこと、が必要になります。記事の面白さや深みというのは、企画を考えている段階である程度決まるでしょう。

4つの質問

 取材企画を考えるやり方は、私は学生時代に参加したスイッチオンプロジェクトという場で教えてもらいました。そのときは、なんでこんなこと必要なんやろ、と懐疑的だったのですが、実際に取材へ行き記事を作成してみて、その重要性に気づきました。
 考えることは4つあります。いたって簡単な質問です。

  1. なぜ(取材相手)にインタビューをしたいのか?
  2. (取材相手)の(テーマ)はなんだろう?
  3. (読み手)は誰だろう?
  4. (読み手)は記事を読んでどう行動するのか?

 2番目の(テーマ)というのは、記事のテーマのことです。どういうテーマで記事を書こうと思っているのか、そのテーマのことを取材相手はどう考えているだろうか。
 すでにいろんな媒体で発言している相手であれば、その発言が考える良い材料になるでしょう。相手が例えば料理人であったり、カメラマンであれば、その料理を食べることや写真を見ることが考える材料になります。まったく材料のない人に取材をする際は、似た境遇の人を調べたり、その人が属する組織や環境を調べることが何かヒントになります。
 私が初めて取材した鈴木さんは有名人でしたので、鈴木さんが発言した内容を追うほかに、彼が好きな映画や本、彼がつくってきた雑誌や映画、彼に言及するもの(押井守さんから、2ちゃんスレまで、なんでも)を参考に考えました。
 この4つの質問に満足に答えることは不可能です。答え合わせではないので、資料を読みながら自分の仮説をアップデートしていくことが必要となります。

仮説は合わない

 企画を考えているときに大事なのが、真剣に考え抜く一方で、「いろいろ仮説を立てたけれど、どーせちゃぶ台返しがあるんだろうな~」と頭の片隅で思っておくことです。それが安易なレッテル貼りを防ぎますし、また、予想していたことを超える言葉を引き出せるのが取材の醍醐味ですから。
 そんなことを考えながら、質問案をつくります。いい言葉を引き出すためには、いい質問をすることが必要です。安易な質問は、安易な答えを引き出すのみです。


 ということで、取材前に考えなければいけないことを書きました。がんばってね! >ねっとぽよく