新興市民団体「ねとぽよ」に関するご説明
モノをつくるときの最後の修羅場は、いつもツライもので。締切で胃がキリキリし、つくり手同士で怒号が飛び交う。締切前日はやっぱり徹夜になってしまって。5月6日の文学フリマで発売した『ねとぽよ第2号』の制作現場では、発売当日にメンバーたちが次々と倒れてしまいました。
くっそくっそ、もう二度とやんねーよ、絶対やめてやんよ。と思うのですが、修羅場をくぐり抜けて、いいモノができあがると、うわぁーまたつくりてぇ、と心変わりをしてしまう。それで今は『ねとぽよ第3号』の企画を進めています。
「ねとぽよ」ってなに?
「ねとぽよ」をご存知でしょうか。初めてこの名を聞くと、うさんくささがありますよね。私も最初、そうでした。
ねとぽよとは、正式名称が「ねっとぽよく」で、電子書籍雑誌『ねとぽよ』を制作する集団の名前です。主にネット企業の20代の人間たちが集まって、仕事終わりに制作をしています。私はアニメーション会社で編集をしていて、ネットとは離れているのですが、学生時代に株式会社はてなでアルバイトをしていました。その時に得たネットの知識・感覚でどうにか彼らに付いて行っています。公式サイトは「ねとぽよ | ねっとぽよくはへいわしゅぎをひょーぼーします」です。
「ねとぽよ」にはどんな人がいるの?
会社ではウェブサービスを開発・運営している人、ネットメディアの中の人、ウェブデザイナー、紙の雑誌のデザイナー、と色んな職業の人がねとぽよにはいます。会社にまだ入っていない人たちも多くいて、ネットが大好きな大学生や、ネットポーカーで生計を立てている人、などなど。ねとぽよのメンバーたちは、いま30人います。
私の関わり方を書きますと。会社の仕事では編集をしていて、著者や原稿と付き合っている毎日です。しかし、ねとぽよでは自分がライターとして原稿を書いたり、外部との交渉をしたりと、普段の業務とは違うことをやるようにしています。もちろん、仕事で得たスキルを使う場面もあるのですが、それは止むぬやまれぬ修羅場の場面になったときくらいで。なるべくまっさらな素人の状態で制作に関わっています("プロ"がいると「こうすべき」という鬱陶しい意見が蔓延して、面白くなくなっちゃうんですよね!)。
ねとぽよの中の人たちは、ほとんどが雑誌をつくったことがありません。ついこの前も「台割」という言葉を知って、「ウェブの人間には台割っていう考えはないんだよなぁ」といわれ、なるほどーそりゃそうだよな、と納得して面白かったです。雑誌をつくったことがない人たちが「なんでこんなことするの?」っていう疑問や、「こうした方が面白いじゃん」っていう意見をみんなで言い合いながら、雑誌『ねとぽよ』はできています。
雑誌『ねとぽよ』ってなに?
ねとぽよは去年の11月に結成して、今までに2冊の雑誌を発売しました。『ねとぽよ第1号』(2011年12月31日発行)と『ねとぽよ第2号』(2012年5月6日発行)です。『第1号』はついこの前、スタディーなんちゃらで話題になっていた坂口綾優さんに表紙のモデルになってもらい(また、表紙だけでなく、雑誌の中のコンテンツ「ウェブ女子座談会」にも登場しています)、『第2号』はこの号の核となる「ARG」をイメージしてねとぽよデザイナーがつくってくれました。『ねとぽよ』は電子書籍なので、もちろんウェブでも販売しています。よろしければどうぞ。感想をいただけるととっても嬉しいです。 →商品一覧 | ねとぽよショップ
雑誌『ねとぽよ』の進め方
ねとぽよはGoogle+というすでに周囲で誰も使っていないようなウェブサービス上で制作を進めています。ねとぽよのメンバーが集まった場所がたまたまGoogle+だった、というだけで最初は使っていました。使いづらくてやめたいと何度も思いましたが、割りと最近は慣れています。周囲でねとぽよのメンバー以外にGoogle+を使っている人たちが皆無なので、仕事がおわって、さーてねとぽよのことを考えるか、というときは、Google+の画面を見るだけですんなりと頭が切り替わるんですよね。過疎ってるサービスのいいところです。
そのGoogle+で「ねとぽよサークル」という非公開のグループをつくり、そこでメンバーたちはスレッドを立てて意見をやり取りします。
- こういう企画どうかなーという、ブレストっぽいスレ
- ニュースやサイトや本を、これ面白いよーと薦めるスレ
- 原稿読んでみてー、サイト更新したよー、などの制作的なスレ
- 誰かが誰かを怒るコワイ系のスレ
- 日々の出来事をつらつら書く日常系のスレ
などなど、雑誌『ねとぽよ』制作にまつわる全てのことが「ねとぽよサークル」に集約されています。実際に顔をつき合わす打ち合わせは、めったにありません。
Google+上のねとぽよサークルでは、メンバーたちが好き勝手に議論に参加します。そうすると、門外漢のひとの発言から企画が深まることがあったり、原稿の編集のアイデアをもらえたりと、予期せぬ方向へ進むことが頻繁にあるんです。もちろん、舵取りする人は大変になるのですが、面白い方へ進めていくのがねとぽよの基本方針です。
……と、今回のエントリーは市民団体「ねとぽよ」の大まかな説明に終わってしまいました。『ねとぽよ第2号』の内容や、制作の進め方については、次回のエントリーで詳しく書きます。
「ねとぽよ」は随時メンバーを募集中
『ねとぽよ第1号』や『ねとぽよ第2号』を読んで、何か「ねとぽよ」でやりたいことがあるひとは、ねっとぽよくたちに連絡をください。メンバーがお話を聞きに行きますので。ご連絡をお待ちしています → ねっとぽよくリスト
ではではー。