ネット上の表現に足りないのは"時間"感覚〜はてブを10年分整理してみて

  1. ずっとやろうやろうと思っていて、なんとなく時代の節目を感じている今、ようやく着手した。はてなブックマークの整理である。私は使い始めたのがかなり遅いのだが、2007年から。しかも、ネットから離れていた時期が2年くらいある(2013年、14年)。それでも、今年に入るまでおよそ10,000個くらいブクマしていた。結構な数だ。
  2. その時その時、思いつくままにブクマしてきた。基本的には、気になっていることや、話題になっていること、自分が面白いと思っている人が言及したものをブクマしていた。案外、ひとつひとつが体験として記憶に残っていて、当時の"気分"を思い出せて、良い振り返りになった。「お前、そんなことに興味があったんけ」と自分にツッコミを入れること、多々だったが。消えている記事・サービスがあるときは、とにかく悲しい…。
  3. で、私がいまやっている”はてブの整理”とは、およそ10年分の記事をタグごとに読み返しながら、必要のないものは削除する、というものである。はてブの断捨離だ。
  4. まずは、今の自分が興味のないタグから着手して、およそ24時間かけて、残り1600個、となっている。結構、減ってきた。
  5. ちゃんと数えていないが、"また未来に残そう"と思うものは100個に1個くらいだ。すでに血肉になったから削除したものもあるし、自分の興味の変遷というのも大いにあるだろう。自分の見る目がなかったのだろう、とも思う。
  6. が、「なんで未来に残るものがこんなに少ないんだろう」とも思う。とにかく、不易なものが少ない。そのときは、”これは決定的に大事なものだ”と思ったものでも、数年経って振り返ると読むに耐えなくなっていたりする。
  7. そもそも、"10年後にも残る"くらいな意識で作られた・書かれたものが少ないこともあるだろう、と思った。未来に向けて作る、という感覚がないという、か。もちろん、ネットだけではなく、本・映画・テレビ・ゲームなどの様々な表現(そして人間)、もそうなんだけれど。
  8. 10年分の記事を読みながら、ネットがいかに社会と接続したかを体感できた。その分、これからの表現活動は"時間"の感覚が必要になってくるのだと思う。他のジャンルもできていない今だからこそ、ネット上での物づくりのプレゼンスを上げる良いタイミングだろう、と思う。
  9. 自分がドの付くエンタメ業界に生きてきたから、というのもあるが、かなり流行を追ってきた。そして振り返ると、ほとんどのものが消え去っていた。この虚しさたるや、かなりクルものがある。が、幾許かは"未来に残る"ものもあって、少し救われている。
  10. 今回のはてブの整理の作業は、自分の"時間"感覚を研ぎ澄ます効果があった、気がする。オススメです。
  11. そうそう、この10年以上、はてブがあり続けてくれたことに感謝だ。はてな、ありがとう★